おはようございます。
もうすぐ令和3年も終わりが近づいていますので、来年の税金について考える時期ですね。年末調整も無事に終わり、還付金を見てプチボーナスを受け取った気分になっている方もいるかもしれません。ところで、2020年のコロナショック以降に株式投資を始めた方の中には特定口座で配当金を受け取っている方も結構多いかと思います。実は年末調整だけで終わらせず、確定申告した方が良い時もあるかもしれません。
年末調整の仕組みと闇
年末調整に関する書類は先月無事に提出できたようですが、なんでも職員室の先生方がこんな感じで盛り上がっていたとか。
A先生:でた~、これホントよくわかんない!でも年末にお金が入ってくるのはラッキーですよね!
B先生:書類どこにあるかなー、なくしてたらどうしよう・・
C先生:私なんか住宅ローン組んだ最初の年、旦那が手続きしてなくて私が確定申告の書類準備してやったのよ~ローン組んだ初年度って、年末調整じゃやってくれないからね!
A,B先生:C先生、確定申告できるんですか?スゴイですね~
正にこれこそ年末調整の闇・・ですね。
ちなみにこの後「積立年金保険」とか「iDeCo」の話も出ていたようですが、いつも通り投資信託=ギャンブルだから危険という話になっていったようです。(しかも3人のうち1人は来年から投資信託などについて授業で教えることになる家庭科の先生だとか)
多くのサラリーマンや公務員が確定申告をした経験がないのも、そのようにルールが作られていますので当然ですね。ただ株式投資でプチ配当金生活を始めた方は、確定申告をするだけで年末調整のように「お金(払い過ぎた税金)が返ってくる」という経験ができるかもしれません。
確定申告のメリット
タイトルの通り、確定申告により所得税の還付ができるケースが存在します。もちろん申告不要なのに申告した結果、デメリットがある可能性もあるのでその点は注意が必要ですね。
私のようにNISA口座メインであればそもそも非課税なので関係ありませんが、特定口座で源泉徴収ありの口座を開設して利益が出ている場合、税金は約20%が自動的に徴収されています。「20%徴収したら終了だから、確定申告はしなくて良いですよ〜」という仕組みですが、申告分離課税といって複数口座の利益や損失を再計算したり、総合課税と言って皆さんの所得と合算して申告することも可能です。こうすることによりどんなメリットがあるかというと、高年収の方を除いて単純に税金が安くなります。細かい話をすると大変なので、ざっくりと説明するとこんな感じ。
申告分離課税
・実現益・配当金・損失があり、損益通算がしたい
・トータルで損失があるので、翌年に繰り越したい
・年収が高く、所得も多い
例えば以下のようなケースがあります。
A口座は確定利益が+50万円。
B口座は確定損失が-30万円だった場合。
この場合、A口座では税金が自動的に約10万円徴収されていますが、B口座の損失は損失のままです。この2つの口座を損益通算すると、利益は+20万円となり税金は4万円なので、払い過ぎた税金が6万円分返ってくるというわけですね。あるいは損失と配当金をぶつける場合もメリットがあります。こういう場合、確定申告をしないと税金の払い損ですが、申告しない限りは利益の出ている口座のみ源泉徴収されて終了です。
総合課税
・課税所得が695万円以下(所得税が20%以下、たぶんほとんどの方が当てはまります)
・日本株の配当金再投資がメインで、配当控除を使いたい
・1口座のみ、あるいはすべての口座でプラスのためそもそも損益通算の必要がない
こんなかんじでしょうか。特にシロクマ家のように配偶者控除があり年収660万円未満であればおそらく課税所得は330円未満なので、所得税は10%が適用されるはずです。
配当控除というのは、日本株にだけ使える税額控除で、「企業が税金を払った後の配当金に更に課税するのは2重課税になる」ということから税金を優遇してくれる制度です。外国株やリートには適用されませんので、日本株メインで配当金重視の方はこれを使った方が良いですね。(残念ながら来年以降は制度改正がされるようですが)
例えば所得税が10%で、配当金が10万円ある場合。配当控除により所得税は0%にできますので、源泉徴収ですでに引かれている1.5万円が還付されます。また住民税については配当控除を使うと本来5%だった税率が7.2%に上がってしまいますが、来年の確定申告(つまり今年度分)からは「住民税は申告不要」という欄にチェックをすれば住民税は5%が適用できるみたいですね。(以前は役所に行って申告不要の届け出が必要だったようです)これにより配当金にかかる税率が20%⇒5%となりますので、特定口座で配当金重視の投資スタイルであればメリットが大きいはずです。
確定申告する際の注意点
以上が確定申告を「総合課税(配当控除活用)&住民税を申告不要」にするメリットですが、注意点として確定申告をするかしないかは次の3点も大きく影響してきます。
1.ふるさと納税のワンストップ特例が無効に
2.雑所得などもまとめて申告する必要あり
3.専業主婦は、扶養から外れるかも
1.は特例の書類をすでに提出していたとしても、確定申告をすると確定申告の内容通りに修正されてしまいます。この場合の問題点として、シロクマ家のように「所得税はローン控除で全額還付される」ケースでも、確定申告をすることで所得税からも引かれてしまい結果として自己負担額が2千円を超えてしまいます。なのでどうしても自己負担額を2千円に抑えたい方や住民税の減額だけしたいという場合は申告しない方が良いかもしれません。
2.3について、旦那の扶養に入っていて専業主婦である私の今年の収入(雑所得⇒暗号資産&メルカリ、少額のアドセンス)は大体10~15万円くらいですが、基礎控除があるので所得が48万円(住民税は43万円)以下であれば申告はそもそも不要となっています。申告不要なのに申告することで、余計な税金が発生してしまうリスクもあるので注意が必要です。確定申告により取り戻せる税金と新たに発生する税金があるので、どちらがメリットあるのかは細かな計算をしないとわかりません。
確定申告はマイナンバーカードとipone、税務署で発行してもらったIDさえあれば自宅からネットでできますので、今のうちから準備して来年に備えましょう。株や暗号資産の棚卸し(損出し)を来週中に終わらせ、気持ちよく2022年を迎えたいですね。