高校教師×パート衛生士の資産形成ブログ

パートDH(歯科衛生士)の主婦による資産形成の備忘録です。また都立高校教師の妻が日々感じている「学校」や「教師」の不思議についても発信します。

教員採用試験の倍率が低下・・教師の妻が日々感じる、教育現場の闇。

おはようございます。

本日はクリスマスですが、旦那は変わらずお仕事。夕食のメインは買って済ませるとして(笑)、最近料理のお手伝いをしてくれるチビたんと一緒にミニピザ&チビ吉のお祝いケーキは作ります!

昨年この時期に生まれたチビ吉もよくやく1歳を迎えました。すくすくと成長して、数年後には「もう小学生かぁ~」なんて言っているのかと思っていたらこのニュース。

公立小学教員の採用2.8倍で過去最低 「危険水域」割る(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

本日はここ数年話題のこのテーマ。

公立学校教員採用試験の倍率

記事にある通り、団塊の世代が一斉に退職を迎えるため教員の採用枠はあるものの、志願者が減っているようです。

公立小学校教員の2019年度採用の試験の倍率が全国で2・8倍(前年度比0・4ポイント減)と、1991年度と並んで過去最低だったことが23日、文部科学省が発表した調査結果で明らかになった。組織で人材の質を維持するのに必要とされる倍率は3倍とされ、「危険水域」を割った。70年代前半に生まれた団塊ジュニア世代の小学校入学に備えて80年代に大量採用した教員が退職を迎えて採用数が増えたことに加え、多忙な職場環境が敬遠され志望者が減少傾向にあることが要因とみられる。

 3倍を切ると危険水域なんですね。記事によると、中学は倍率が5.7倍、高校は6.9倍でいずれも前年度より倍率が低下しているとのこと。

この倍率だけを比較すると確かに小学校教員の倍率が低いです。旦那はいつも「小学校教員の方が楽」と言っていますが、「教育現場はブラック」という話がどんどん広まって志願者が減っているんでしょうか。

中学・高校の倍率が高いのは、「教育学部以外の学生でも免許が取れる」からともあります。文系大学なら国語や社会、理系大学なら数学や理科などの免許も少し授業を多く取る&教育実習を行うだけで、免許は取れるんですね。今年旦那の職場に教育実習に来た学生も、全員「免許は欲しい。でも採用試験は・・」と話していたらしいです。。「免許も取れそうだし、とりあえず受けようかな」という学生がたくさんいれば、確かに倍率は高まりそうです・・

ちなみに東京都の最近の倍率はこんな感じ↓

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応募者の数が・・(´・ω・`)

旦那の教員採用試験の話

旦那も学生(4年生)の時は落ちて、2回目で合格できた東京都の採用試験。生まれも育ちも東京の旦那は他県は受験せず東京都のみ。

一次試験は、

〇教職教養(教育に関する法律など)

〇専門教養(各教科の勉強)

〇小論文

で、それまでの経験によっては一部免除されるものもあります。上2つはマークシート方式なので難しくはないそうです。

一次を合格すると二次試験に進み、

〇集団面接

〇個人面接

〇実技試験(英語や体育、芸術などの場合)

で合否が決まります。

旦那は1回目の受験で、

〇教職教養⇒80点以上

〇専門教養⇒80点以上

〇小論文⇒自分なりに熱い思いはばっちり書けた

と自信満々だったようですが、結果は不合格。届いたハガキには、「あなたの得点は、Ⅰ・Ⅱ・ⅢのうちのⅠです」みたいなことが書かれていました。Ⅰ>Ⅱ>Ⅲらしいので、あと少し足りなかったということですね。そしてその後、大学卒業すら危うくなり・・

なんとか卒業でき、小学校で非常勤講師をしながら臨んだ2回目の試験。

合格した同級生の中には教職や専門教養が50点台の人もいたと聞き、「結局論文ですべて決まる!」と考え、論文のみひたすら練習。勤務先の校長先生に書いた小論文を見てもらい、最終確認をしてから試験に臨みます。

〇教職教養⇒80点以上

〇専門教養⇒80点以上

〇小論文⇒小学校での経験を中心に、教えられた型の通り記入

結果は無事に合格できました。

旦那は「結局小論文次第」の試験だと言っています。型というのは、母校で4年生の時に受けたゼミ?で習ったそうです。始めから素直に型の通り書けば良かったんですかね。

二次試験は集団&個人面接で、「面接は得意」らしくどの質問にも自分なりの思いを伝えられたそうです。終了後、たまたまトイレで会った面接官の一人から「来年から期待してるよ!」と声をかけてもらい、「もしかして合格・・?」なんてドキドキしながら迎えた合格発表の日。職員室のパソコンで合格を確認し、学校の教職員&生徒全体から「おめでとー」をいただいて、忘れられない一日になりました。

「期限付任用教員」制度

そもそも教員採用試験に合格すると、「採用候補者名簿」に登載され、3月頃にいきなり電話が掛かってきます。というのも校長先生が、「来年も残る教員」「来年異動してくる教員」と順番に人事配置を決定していきます。異動先の最終決定が2月頃で、その後に新規採用候補者の面接となるので、3月頃まではドキドキが続きますね。

旦那は合格でしたが、不合格者のうち上位成績の人は「期限付任用教員名簿」に登載されることが可能です。この名簿に載ると、学校で欠員が生じたりした際にその学校に「期限付」で正規職員と同様の勤務ができます。ただし名簿に載っても連絡が来るとは限らず、また4月を過ぎてからいきなり「今年度働けますか!?」と連絡が来ることもあるので、アルバイト生活をしながら連絡を待つ人も多いです。

期限付任用教員として学校に配属されると、翌年の採用試験は二次試験のみとなるのでかなり負担が減ります。「勤務先の校長の評価次第」で合否が決定するなんて噂もあり、大体の先生が合格してそのまま同じ学校で「正規採用」として働いていますが、実際に落ちてしまった先生も周りにいるようで・・年度末までどんな思いで仕事をすることになるんでしょうか(*´Д`)

倍率が下がると、教師の質も下がる?

ニュースにある通り、応募者が減ることで合格点のラインも下がり、教師の質の低下というのも確かにありそうです。

ただ最初にも触れましたが「免許も取れそうだし、試験をとりあえず受けてみる」という人がどれだけいるかは倍率だけを見てもわかりませんので、倍率よりもこちらの方が気になります。

・公務員だし安定してるからとりあえず受ける

・教員はブラックだから絶対ならない

の人が減ったなら倍率が下がっても質は下がらないと思います。

ただ熱意を持って大学に進学したものの実習などを経験して、の理由の人が増えた結果倍率が下がっているのなら確かに危険ですよね。

ちなみに今年度の東京都の小学校の採用試験倍率は、

受験者⇒3762人 採用見込者⇒1570人

倍率⇒2.4倍です。

ほとんどが「教員になりたい!」人であればまだいいんですが、「とりあえず・・」の人が多ければ本当に危険水域です。ウチのチビたちが入学する時には、教育現場はどうなっているんでしょうか?あとこの数字に先程の期限付任用教員は含まれていないと思いますので、実際には志願者の2人に1人は学校に配属されている・・のかもしれません。

教育の質を下げないためにできること

旦那は高校時代からずーっっと「将来は教員になる!」と私に宣言していました。そんな旦那がここ数年頻繁に「転職」という言葉を口に出しています。その後に必ず出る言葉が、「給料がなぁ・・」です。どんなに真面目に働いても年功序列の給料制度は変わりません。仕事をしないベテラン教員の方が給料を貰っています。民間であればクビになるような先生でも、公務員なので問題を起こさない限りリストラはありません。

昨日も担当業務があるのに平気で休暇を取った先生がいたそうで、職員室中が「またアイツサボってるよー」と呆れているようですが、50代主任教諭ということで給料は当然旦那よりも貰っています。「有給休暇だから当然の権利」なのはわかりますが・・

昨日旦那は定時で帰宅できましたが、旦那以外の学年の先生は全員残業していたそうです。(子どもが小さいママさん先生も、親の面倒を看ている先生も)でも副担任の先生方は休暇を取っているのか、ほとんど見当たらず。旦那から聞いている限り、

・担任手当を付ける(副担任の給料と差をつける)

・平日に授業のない時間帯を設定し、休暇を取りやすく

・部活動はやりたい先生&外部の人で

・勤務時間外は電話応対もしない

・勤務状況をお互いに評価する

などなど、民間企業が取り入れているようなことを学校でも導入すれば、少しは教育現場の闇にも光が差すのではないでしょうか。

と素人が言ってみたものの、結局現場は今日も「情熱・やりがい」という言葉だけで、なんとか頑張る先生方が支えてくれているんでしょうね・・(>_<)